こんにちは、元保育士の夏芽です。
4歳児はできることがグンと増えて「お兄さん、お姉さんになったなあ」と感じる時期ですよね。
その中で
「まだ自分でできないことが多くて不安」
「4歳児になって友だちとのトラブルが増えた」
と心配になる方も多いのではないでしょうか。
4歳児は身の回りのことが自分でできるようになりますが、「やりたい気持ち」と「甘えたい気持ち」が混ざっていたり、友だちと関わる中でいろいろなことを学んだりしている最中です。
その時の大人の関わり方がとても大切になってきます。
この記事では、保育士として13年勤め、現在2人の子どもを育てている筆者が、4歳児の発達の目安や家庭での関わり方のポイントを解説します!
4歳児の発達に不安がある方や、「こんなときどうしたら良いの?」と悩みがある方はぜひチェックしてくださいね!

4歳児の発達の目安

【身体の発達】身長や体重は?

【参照】こども家庭庁 令和5年乳幼児身体発育調査
4歳児になると筋肉や骨がしっかりしてきます。
発達には個人差があり、兄弟姉妹でもまったく違うこともあるので、周りと比べすぎずにみていきましょう。
平均から大きく外れている場合は、一度かかりつけ医に相談してみてください。
【運動面の発達】どんな動きができる?

- 走る・止まる・方向転換がスムーズになる
- 片足で数秒間立つことができる
- ケンケンやスキップができる
- 階段を交互の足で上り下りできるようになる
- ボールを投げたりキャッチしたりできる
- ハサミで紙をまっすぐ切ったり、丸を切ったりできる
4歳児になると、全身を使った運動能力が大きく成長する時期。
片足やケンケン、スキップのようなバランスを取る動きも少しずつできるようになります。
ボールを投げたりキャッチしたりする動きも、体の動きを上手く使ってできるようになります。
手先が器用になり、ハサミで「まっすぐ切る」「丸を切る」といった作業も集中してできる子が増えてきます。
いろいろな形を切り、貼ったり形を作ったりすると、より手先を使って遊ぶことができるのでおすすめです。
【言葉の発達】どんな話ができる?

- 助詞や接続詞が使えるようになり、文の構造が複雑になってくる
- 理由を説明できるようになる
- ごっこ遊びや空想の中で、ストーリーを組み立てながら話す
助詞や接続詞が使えるようなり文の構成が複雑になってくる
3歳までは接続詞が間違っていたり、文が少し変になったりして可愛い時期ですよね。
4歳児になると、助詞や接続詞を使って「雨が降ってるから、公園に行けなかった」の自然な日本語表現ができるようになり、複雑な文を話せるようになります。
理由を説明できるようになる
「どうしてお水がこぼれちゃったの?」と聞くと「遊んでるときに手が当たっちゃった」など、「なんで?」という質問に対して説明ができるようになります。
自分の体験や気持ちを気持ちで伝えられるようになった証拠です。
ごっこ遊びや空想の中で、ストーリーを組み立てながら話す
ままごとや病院ごっこなど、なりきって遊ぶことを「ごっこ遊び」といいます。
自分が体験してきたことを元に、イメージを膨らませ「◯ちゃんが怪我しちゃった!病院に行こう!」など、物語のようにストーリーを組み立てながら話すようになります。

たくさん話せるようになって会話が楽しくなるね!
(社会性の発達)親や友達とのかかわりは?


- 気の合う友だちができ、一緒に遊ぶことを楽しむようになる
- 友だちと一緒にルールや順番を守って遊ぶ
- 相手にも気持ちがあることに気が付く
気の合う友だちができ、一緒に遊ぶことを楽しむようになる
4歳児になると、友だちとのかかわりがグンと増えてきます。
これまで周りの子と同じ空間で遊ぶ『並行遊び』をすることが多かったですが、少しずつ周りの子が気になるようになり、一緒に遊び始めます。
「みんなで遊ぶほうが楽しい!」と感じるようになり、友だちと一緒に遊ぶようになる時期です。
友だちと一緒にルールや順番を守って遊ぶ
4歳児は集団で遊ぶ楽しさを覚え始める時期です。
色鬼や転がしドッジボール、椅子取りゲームなど、ルールのある遊びを楽しむようになります。
最初は「負けたくない」「ルールを守ると負けるから嫌だ」という気持ちが出ることも。
何度も経験する中で『ルールを守って遊ぶ楽しさ』『友だちと一緒に遊ぶ楽しさ』を感じられるようになります。
また、ブランコなど、順番に遊ぶときには「10秒数えたら交代する」などのルールを守って遊ぶことができるようになります。



幼稚園や保育園でルールのある遊びを沢山経験して成長するよ!
相手にも気持ちがあることに気が付き、どうするか考える


「〇〇くんが嫌なこと言った!」
「一緒に遊んでくれない!」
気の合う友だちができるようになると、友だちとケンカすることもありますよね。
4歳ごろになると「相手の気持ちと自分の気持ちは違うんだ」ということが分かり始めますが、まだ自分で気が付くのは難しい時期です。
大人が間に入って「◯ちゃんはブランコがしたいんだって」と相手の気持ちを知らせて行きましょう。
相手の気持ちを知り「じゃあどうしたらいいかな?」と、子どもが考えられるようにすることで、心の成長に繋がります。
(生活面の発達)どこまで自分でできるの?


- 着替えや食事、トイレなどが自分でできるようになる
- 曜日や時間の感覚が少しずつ育ってくる
- 生活の中でのマナーやルールを理解し、守ろうとする
着替えや食事、トイレなどが自分でできるようになる
着替えや靴の着脱、食事、トイレなど、ほぼひとりでできるようになってきます。
ただし、個人差があるため、まだ出来ていない子も心配ありません。
できる限り見守って、頑張った過程や、できたこと(こぼしながらも自分で食べられたなど)を沢山認めてあげると、子どものやる気に繋がります。
「ママにやってほしい」という子には満足するまで手伝ってあげて大丈夫。
「じゃあ片足やるから、もう片方よろしくね」
「どっちが早く履かせられるかな〜」
など、少しずつ子どもがやる気になるように声をかけてみるのがおすすめです。
やりたい気持ちがあるなら、できる限り見守っていきましょう。



と言いつつ、夏芽もなかなかできません!笑
最後まで見守れたら「見守れてえらい!」と自分を褒めちゃおう!
曜日や時間の感覚が少しずつ育ってくる


「今日はなんの日?」「明日お出かけする日だね」など、曜日の感覚が少しずつ育ってきます。
また、時計をみて「長い針が6になったらご飯?」「もうすぐ6だね!」など時計の時間を意識して生活することが増えます
生活の中でのマナーやルールを理解し、守ろうとする
食事中のマナーや公共の場での過ごし方など『社会のルール』に気づき始める時期です。
「道路では遊ばない」「話を聞くときには静かにする」などのルールが理解できるようになります。
とはいえ、すぐに完璧にできるわけではありません。
遊びに夢中になっていたり、気分でやりたくなかったりすることも。
遊びに夢中になっていて忘れているときには、その都度声をかけていき、子どもが意識できるように手助けしていきましょう。
気分でやりたくないときは、子どもの気持ちを受け止めつつ、危ないことや、ルールがある理由を子どもに伝えていくことが大切です。
「やりたくないけど…」と葛藤することが、成長に繋がります。



繰り返し伝えていくことで、少しずつ意識してできるようになるよ!
3歳児の発達に合わせたかかわり方と注意点


- 「自分でやりたい」を尊重して、手を出しすぎない
- 成功よりも『頑張った過程』に注目して褒める
- 子ども同士のケンカは「じゃあどうしようか」と、考えられるように援助しよう
「自分でやりたい」を尊重して、手を出しすぎない
4歳児は自立心がグッと育つ時期です。
「自分でやりたい!」という気持ちが強いので、できるだけ見守っていきましょう。
また、気分や疲れによっては急にできなくなったり、甘えたい気持ちになったりすることもあります。
そんなときは、子どもの気持ちを尊重して手伝っても大丈夫。
一度手伝ったからといって出来なくなることはなく、心が十分満たされるとまた自分でできるようになります。
子どもに合ったサポートをしていきましょう。
成功よりも『頑張った過程』に注目して褒める
「自分でやりたい!」と何でも挑戦する4歳児ですが、うまくできないこともありますよね。
『できた』という経験ももちろん大切ですが、『挑戦した』『最後まで諦めずに頑張った』という『頑張った過程』を認めていくことが、子どもの「やって良かった」という満足感に繋がります。
また、褒めるときは「飛ぶタイミングが合ってきたね」「前を見てできるようになってきたね」など、具体的に褒めていくとより子どもの自己肯定感が高まります。



大人でも子どもでも、頑張ったことを認めてもらえると嬉しいよね!
子ども同士のケンカは「じゃあどうしようか」と、考えられるように援助しよう


4歳児になると、気に入った友だちができる一方で、トラブルも多くなります。
その原因は、自分の気持ちをうまく伝えられなかったり、相手の気持ちに気づいていないから。
大人が間にはいり、気持ちを言葉で伝えれるようにしたり、相手の気持ちを知らせていきましょう。
少しずつ「自分は一緒にブランコしたいけど、〇〇くんはサッカーがしたかったんだ」と気づくことができるようになります。
しかし、そこで「よし相手の気持ちが分かった!解決!」とはなりませんよね。
『じゃあどうしようか』と子どもが考えられるようにすることが大切です。
もちろん最初は子供だけでは決められないので、大人が間に入って援助していきましょう。
「じゃあブランコ少しやったらサッカーする?」
「今日はサッカーでいいよ。またブランコしようね」
など子どもからアイデアがでてくると思うので、納得するまで話し合えるようにしましょう。
でも「忙しいから、こんなにゆったりとは関われない」という方も多いですよね。
時間があるとき、心の余裕があるときで大丈夫です。



気持ちに余裕があるときに試してみてね。
子どもの心の成長につながるよ!
まとめ


4歳児は、自立への一歩が始まると同時に、まだまだ甘えたい気持ちも強い時期です。
子どもの「やってみたい」「頑張りたい」という気持ちを大切に、関わったり見守ったりしていきましょう。
発達には個人差があり「できないところ」に目が行きがちですが、子どもはみんな、自分のペースでしっかり成長しています。
焦らず、比べずに「今できていること」「頑張った過程」を一緒に喜んでいくことが、子どもの心の成長に繋がります。
この時期ならではの可愛らしさや、心や体の成長を見逃さず、暖かく見守っていきたいですね。


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