「あの子とはなかなか心の距離が縮まらないな…」
「どうしたら心を開いてくれるんだろう」
そう悩んでいる保育士も多いのではないでしょうか。
毎日何十人の子どもと関わっていると、同じように関わっているつもりでも、信頼関係ができてきた子、まだ様子を伺っている子など、いろいろな子がいますよね。
私も保育士時代「あの子と仲良くなりたいけど、どう関わったら良いんだろう」と悩むことがよくありました。
子どもの性格はひとりひとり違います。
信頼関係を築くうえで、その子に合った関わり方をすることがとても大切です。
そこで今回は、保育士として13年勤めた夏芽が、信頼関係の築き方のコツを、子どもの性格を5つのタイプに分けて詳しくお伝えします。
「子どもともっと仲良くなりたい」「信頼関係を築く方法が知りたい」という方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
子どもとの信頼関係の築き方

今回は、子どもの性格を大きく5つのタイプに分けました。
- 人見知りタイプ
- 甘えん坊タイプ
- 自立心旺盛タイプ
- 感情豊かなタイプ
- 我慢強く空気を読むタイプ
それぞれ順番にみていきましょう。
人見知りタイプ
【性格の特徴】
- 初対面や新しい場所が苦手で慣れるまでに時間がかかる
- 慎重で自ら話しかけることは少ない
- 一度慣れると安心して過ごせるようになる
人見知りタイプは、初対面や新しい場所が苦手で、慣れるまでに時間がかかります。
慎重で警戒心が強い子が多いですが、慣れてきたら自ら声をかけてくれるようになります。
距離を縮めるには時間が必要なため、距離感に気をつけながら関わっていきましょう。
「一緒にやる?」「こっちおいでよ」などの声かけは逆効果になることもあります。
興味のあることができるようにさりげなく援助しながら、ゆっくり心の距離を縮めていきましょう。
【関わり方の例】
- 目があったときに笑顔で笑いかける
- 通りすがりに「きれいに色塗れたね〜」と伝える
- 折り紙など、遊びが気になっている時は、何も言わずに子どもの近くに折り紙を置く。
- 出来たら優しい声で褒める(大きな声や目立つのが苦手な子も)
最初はこのくらいの距離感で大丈夫。
「先生私のことみてくれているんだな」と安心するようになってくると、自ら近づいて来てくれたり、話しかけてくれたりするようになります。
甘えん坊タイプ

【性格の特徴】
- 愛情への欲求が強く、大人との関わりを求める
- 誰かと一緒にいる方が好き
- 甘えたい気持ちを言葉や態度でしっかり表現する
- 常に好きな先生のそばにいる
甘えん坊タイプの子は、愛情表現が豊かな子が多いです。
大人との関わりを求め「先生見て〜」「抱っこして」など、言葉や行動で甘えを表現します。
自ら甘えてきてくれるため、信頼関係が築きやすいようにみえますが「安心する存在」になるには意外と時間がかかります。
短時間でもいいので1対1のかかわりを持てるように心がけていきましょう。
【関わり方の例】
- 時間があるときは、膝にのせてふれあい遊びをする
- そばを離れるときは、離れる理由や後で戻ってくることを伝え、子どもが安心できるようにする
- 4・5歳児は保育者を交えながらも、気に入った友だちと遊べるように工夫していく。
自立心旺盛タイプ

【性格の特徴】
- 自分でやりたい気持ちが強く、何でも挑戦する
- 自分のペースややり方がある
- 周囲との比較より、自分軸で動く
「自分でやりたい!」という気持ちが強いのが自立心旺盛タイプ。
自分のやり方やペースがあるため、大人が手を出すと嫌がることがあります。
周囲と比較せずに自分のペースで動くことが多いのが特徴です。
このタイプはまずは見守ることが大切です!
出来たときには認めたり褒めたりすることで、信頼関係を築きやすくなります。
子どもの気持ちを尊重しながら、必要なときに寄り添うようにしましょう。
【関わり方の例】
- 着替えなどは手を出さずに見守り、出来たときに「自分でできたね」とたくさん認めていく
- 自分のペースがあるので、基本は声をかけるだけにする
感情豊かなタイプ

【性格の特徴】
- 嬉しい、悲しい、怒ったなど、感情表現が豊か
- 周囲に感情が電線するような、エネルギッシュな存在
- 気持ちが崩れると、大泣きや癇癪になる
感情表現が大きい子には、気持ちを受け止め、言葉で気持ちを整理できるように援助していくことが、信頼に繋がります。
泣いたり、怒ったり、気持ちが爆発する裏には「わかってほしい」という気持ちが隠れています。
まずは気持ちを受け止め、丁寧に言葉にすることで「この先生は分かってくれる」と感じてもらえます。
【関わり方の例】
- 大泣きしているときはまずは「かなしかったんだね」など気持ちを代弁し、まずは落ち着くことができるようにする。
- 楽しいとき、嬉しいときも一緒に気持ちを共感する
我慢強く空気を読むタイプ

【性格の特徴】
- 周囲の様子をよく見て、空気を読んで行動する
- 自分の気持ちより、まわりを優先する
- 実は繊細で感受性が豊か
一見問題がなさそうに見える子でも、実は気持ちを我慢していることがあります。
実は繊細で感受性が豊か、本音を隠してしまう傾向があるため、表面では気付けないストレスを抱えていることが多いです。
保育者から積極的に声をかけていき、気持ちを引き出してあげられるようにしましょう。
【関わり方の例】
- 「一緒に遊ぼう」「〇〇作ってるの?」など、保育者から関わっていくようにする。
- 「◯ちゃんはどうしたい?」など、気持ちを伝えやすい環境を作る
子ども一人ひとりにあった関わり方をみつけよう

今回、タイプ別で紹介しましたが、子どもひとりひとり性格は違い「このタイプだと思ったけど、この対応は合わなかったな」となることもあります。
信頼関係を築く一番の近道は、「先生が笑顔でいること」です。
笑顔を忘れず、子どもの様子に合わせて柔軟に対応してみてくださいね!
コメント